しが健康豆知識TRIVIA

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vol44

ベンチから始まる健康づくり。スポーツを通して地域を元気に!

2024/03/11

 

滋賀県では、県民の健康寿命の延伸に向けて、健康づくりにつながる取り組みを推進する企業や団体を支援しています。今回は、令和5年度健康しが活動創出支援事業のひとつ「ベンチで健康を考えるプロジェクト」をご紹介します。

健康づくりにベンチがどう繋がるのか?プロジェクトを行う「株式会社Seventh Generation Project」の代表・牧貴士さんにお話を伺いました。

 

スポーツの力で地域を盛り上げ

「株式会社Seventh Generation Project」は、スポーツを入口として地域づくりに取り組む企業で、2019年に商業施設「ブランチ大津京」内に「SG-Park」をオープンしました。そこで、バスケットコートやカフェを展開し、気軽にスポーツに関われる場を創出しています。

2021年秋からは、大人向けのスポーツクラブ「SG LIFE SPORTS CLUB」を新たに展開。月2,200円で10個のプログラムに参加できる月額制のスポーツクラブです。プログラムの内容は、フィットネス、ウォーキング、ボクササイズ、ZUMBA、大人のバスケ教室、卓球など幅広く、ただ体を鍛えるというよりも、楽しく遊び感覚で運動できるものばかり。リーズナブルさと相まって、これまでの約1年半で退会したのはわずか5人だけ。通常のフィットネスジムの1年後の継続率がおよそ10%というなか、継続率95%という脅威の実績をあげています。

スポーツを継続させる秘訣とは⁉

ベンチプロジェクトにも繋がる、スポーツを継続させる秘訣を牧さんに伺いました。

国の調査によると約9割の人が運動をしたいと思っているのに、実際にやってる人は5割にとどまるそうです。多くの理由は「忙しい」とか「一人じゃ続かない」「お金がかかる」といったこと。じゃあ、そういった人たちが運動したくなるような仕組みをスポーツクラブに取り入れればいいんじゃないか、そこが私たちのスポーツクラブの始まりです。

具体的には、続けやすい価格であること、誰かに誘ってもらうこと、または誰かとやることだと思います。ほとんどの方が1年以上続けておられることからも、この考えは実証されたと思っています。

溜まり場がコミュニティを生む

私たちがやりたいことはスポーツを切り口にしたまちづくり。スマホひとつでさまざまな情報が受け取れ、なかなか人が能動的に行動しなくなった時代ですが、そんな時代でもスポーツって人の心を動かす力があるし、それをサービスとして提供できれば、地域の人が集まりやすい場ができるんじゃないかと考えています。

コロナ前まではカフェを営業し、キッチンカーでコーヒーを提供したりもしていました。食事をしに来たお客さんは食後もゆっくりおしゃべりをして帰りますし、バスケをした後にコーヒーを飲みながら雑談して帰る人も多かった。でもコロナとなり、カフェやキッチンカーをクローズしたら、運動に来た人たちも運動後はすぐに帰ってしまうようになって。

溜まれる場所があったことで、おしゃべりする機会が増えるし、参加者の満足度もあがっていたんじゃないかと気づいたんです。コロナが落ち着いたいま、そのコミュニケーションの場づくりに再度チャレンジしようと思い、今回のベンチプロジェクトが始まりました。

社会的健康のための「ベンチプロジェクト」

WHOは健康の定義を「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること」としています。このなかで言われている社会的健康ってなにかと考えたときに、人との繋がりを感じられる状態なんじゃないかと思います。
コロナ禍でリモートワークが増え、誰とも話さなくなって心を病んでしまう人や、寂しくなってしまう人が増えたというニュースを耳にしました。それって普段、会社でしていた同僚との何気ないおしゃべりだったりとか、顔を見合わせる行為そのものに価値があったということでしょう。

リアルな場の強みは世間話ができること。だから、ここに集まった人が気軽に会話するためのベンチを用意しました。ただ、ベンチだけを置いてあっても、初対面だと一緒に座ったり、おしゃべりするのはハードルが高いので、会話の糸口や話すきっかけになるツールも用意しました。

ゲーム感覚でコミュニケーション

知らない人とも話が弾むツールとして「コミュニケーションカード」をベンチに設置しています。カードには、「昨日の晩ごはんはなんでしたか?」などの簡単な質問から、「若い頃はモテましたか?」「どのような死に方をしたいですか?」といったその人の人生が垣間見える質問も書かれてたりします。直接、聞きづらいようなことも、カードで聞かれたら答えざるを得ないじゃんって感じで場も盛り上がるし、意外な相手の素顔を引き出すことができます。最初は、私たちもファシリテーションに入って進めたりしています。

私自身、人見知りで自分から声をかけたりあまりできないんですけど、それで損をしたなと思うときがあります。やっぱり人間は一人では生きていけないというか、健康に生きる上で人との繋がりは欠かせない。
いまはまだ手探りで進めているところですが、これが定着してきたら、「ブランチ大津京」のさまざまな場所にもベンチやカードを設置できればいいなと考えています。

株式会社Seventh Generation Project

住所 〒520-0021 滋賀県大津市二本松1-1 ブランチ大津京内 SG-Park
URL https://seventhgeneration.co.jp/
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